自分に合った大学と学部の選び方
~「3つのポリシー」を知る!

前回の記事では、大学進学には多くのメリットがある一方で、消極的な気持ちで進学すると失敗するリスクもあることを指摘しました。

自分の可能性を開く上で大切なことは、積極的な姿勢で大学生活が送れるかどうかです! もちろん、無理はいけません。自分の学習意欲が、その大学で勉強・研究するうえで十分なものなのか、そして、その大学で身につけられる能力は自分の夢や希望と一致しているかを見極めなければなりません。

そして、そうした自分に合った大学を見極める材料となるのが、各大学(学部)が定めている「アドミッション・ポリシー」「カリキュラム・ポリシー」、「ディプロマ・ポリシー」 です。

結論から言えば、受験生の皆さんは、アドミッション・ポリシーだけではなく、ディプロマ・ポリシーにも目を向け、そこで描かれている教育目標が自分の目指すべき将来像に合致しているかを確かめることが大切です。

(※在学生の皆さんも、この3つのポリシーとともに、今一度、自分を見つめ直してみましょう!)

アドミッションポリシー→カリキュラム・ポリシー→ディプロマポリシー

まずは、「アドミッション・ポリシー」から見ていきましょう。これは、皆さんご存じの通り、各大学が出している「入学者受け入れ方針」ですね。

アドミッション・ポリシーが定められるようになった背景には、かつての入学試験が抱えていた問題を解決したいという思いがありました。かつての入学試験は、画一的な一斉試験で知識の有無を問うものに偏っていたり、入学者数確保のための手段に陥ったりしていたのです。

つまりは、偏差値などといった「ひとつのものさし」(画一的な基準)に偏って判断するのではなく、高等学校教育で身に付けたさまざまな力について、それぞれの大学が独自の視点で判断することが求められるようになったのです(参照)。

そこで、各大学は、自分の大学の強みや特色、社会的役割を踏まえつつ、大学教育を通じてどのような力を発展・向上させるのかを明らかにした上で、受験生がその入り口段階で必要となる力を有しているかどうかをどう評価するのかを明示するようになりました。それが、アドミッション・ポリシーです。

もちろん、大学として明確な出口(卒業時の目標)がなければ、受験生のもつ多様な力を評価することはできません。そこで、卒業後に「何ができるようになるか」に力点を置き、学生が卒業時に身に付けるべき資質・能力を明確化したのが「ディプロマ・ポリシー」です。

さらに、このディプロマ・ポリシーの達成のために、どのような教育課程(カリキュラム)を編成し、どのような教育内容・方法を実施するのかを定めたのが「カリキュラム・ポリシー」です。

したがって、受験生の皆さんは、出口であるディプロマ・ポリシーにも目を向け、そこで描かれている目標が自分の目指すべき将来像に合致しているかを確認し、その上で、カリキュラム・ポリシーが自分の学習意欲と合致しているかを確かめることが大切です。

そして、オープンキャンパスなども活用して、志望校を決めることができれば、あとは、アドミッション・ポリシーで求められている力を重点的に磨き、受験に備えれば、万全です!


ちなみに、本学では、人びとの生活の質を支える「優れたQOLサポーターの育成」を建学の精神としており、そうしたQOLサポーターに求められる資質・能力を「5つのSTEPS」として表現しています。

  • 科学的知識と技術を活用する力(Science & Art)
  • チームワークとリーダーシップ(Teamwork & Leadership)
  • 対象者を支援する力(Empowerment)
  • 問題を解決する力(Problem-solving)
  • 自己実現意欲(Self-realization)

そして、上記の3つのポリシーについても、「5つのSTEPS」に基づき、学科ごとに定めています。ここでは、それぞれについて、ディプロマ・ポリシーから順番に紹介していきます(詳しくはこちら)。

科学的知識と技術を活用する力(Science & Art)

【ディプロマ・ポリシー】人を理解するための幅広い教養をもち医療・経営・情報に関する専門的な知識と技術を活用できる。

【カリキュラム・ポリシー】専門技術者として必要な技術や人間を理解できる教養を身につけるために医療・経営・情報に関する基礎から応用に至る幅広い内容をもつ専門基礎科目群を配置する。成果は資格試験合格率で評価する。

【アドミッション・ポリシー】高等学校卒業相当の英語・国語・数学および入学者選抜試験にて出題する教科・科目の基礎学力を有する。

チームワークとリーダーシップ(Teamwork & Leadership)

【ディプロマ・ポリシー】対象者、同僚、保健・医療・福祉の関連職種と良好なコミュニケーションおよび連携をとることができる。

【カリキュラム・ポリシー】自己を表現し、実践する能力を身につけるとともに、対象者や他の職種とコミュニケーションをとりながら連携する技術を身につけるためにゼミ形式の自己表現法、自己実現法、キャリア開発などの授業を配置する。成果は専門基礎科目の成績により評価する。

【アドミッション・ポリシー】他者の話を理解するとともに、自らの意見をわかりやすく伝える能力を有する。

対象者を支援する力(Empowerment)

【ディプロマ・ポリシー】社会人の一員としての礼節をわきまえ、専門的な職業人としての使命感や責任感を有し、対象者の尊厳を尊重し、適切に行動できる。

【カリキュラム・ポリシー】医療福祉分野、情報分野などで活躍できる知識や技術を修得するために専門専攻科目を配置し、それを各分野で実践するための能力を涵養するために演習科目を配置する。成果は専門専攻の演習科目の成績で評価する。

【アドミッション・ポリシー】常に人に対する思いやりをもつとともに、自ら積極的に行動しようとする態度を有する。

問題を解決する力(Problem-solving)

【ディプロマ・ポリシー】職場や地域社会で医療情報管理分野の専門的な知識に根ざした思考と判断により問題解決できる。

【カリキュラム・ポリシー】医療・経営・情報に関する分野で、問題点を発見・分析・解決するための知識や技術を修得するために専門専攻科目を配置する。成果は専門専攻科目の成績で評価する。

【アドミッション・ポリシー】ある事象に対して自分なりの思考に基づいた判断をくだすために多くの事柄を考慮し、まとめる能力を有する。

自己実現意欲(Self-realization)

【ディプロマ・ポリシー】国際化・グローバル化する社会の変化や医療情報技術の進歩に関心をもち続け、自らを高めるため、生涯を通じて主体的・意欲的に学習できる。

【カリキュラム・ポリシー】医療・経営・情報などの分野で生涯に渡って問題意識と探求心をもち続け、自分自身を向上させるための心構えを身につけるために卒業研究などの専門科目を配置する。成果は卒業研究で評価する。

【アドミッション・ポリシー】医療・経営・情報の領域に強い関心があり、関連する資格を取得し、将来、その分野で活躍しようとする高い意欲を有する。


以上見てきたように、本学科では、医療や健康、IT、経営に関する専門性を磨くだけでなく、医療福祉大学に属する学科として、チームワークやリーダーシップ、対象者を支援する力、問題を解決する力も実践的に磨いていきます。

したがって、本学科の3つのポリシーに合っているのは次のような方です。つまり、
(1)医療や健康やITに限らず、あらゆる業界で通用する幅広い専門性から自分の強みを見つけようとする意欲を有するとともに、
(2)以上のような対人的なスキルを活かした仕事がしたいと考え、
(3)その基礎となる力と姿勢を有する方です。

本学科には、文系・理系問わず、さまざまな専門のスタッフがいます。オープンキャンパスでは、「自分に合った大学や学部が分からない」という高校生の皆さんの相談にものっています! お待ちしています!

※高校生、受験生の方向けの特設ページ(Q&A)はこちら

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