「緑本」の倒し方
~診療情報管理士認定試験の合格体験談

こんにちは! 医療情報管理学科の3年生です! 突然ですが、「診療情報管理士の勉強を頑張りたいけど、不安が勝って受験を迷っている」人いませんか? 私もちょうど一年前は膨大な試験範囲に不安を感じ、受験を迷っていました。そんな私がどのように学習したのかをお伝えします!

(写真:緑本を食べているわけではありません)

私は、もともと医薬品関係の仕事を志望しており、診療情報管理士の試験学習を通して医学知識を定着させたいと思い、受験を決めました。診療情報管理士は基礎分野と専門分野に分かれており、基礎では主に疾病や人体構造などについて、専門では主に医療管理や国際疾病統計などを学びます。

基礎分野の勉強方法

基礎分野に関して一番重要なことは(緑の)教科書(「緑本」)の読破です。これだけ聞くと気が遠くなる作業のように感じると思います。私も当時は同じ感想を持っており、ただズラズラと読むだけだと思うと、勉強を始める前は気が重かった記憶があります。

しかし、資格対策講義では、章ごとに分類された五者択一の問題(全12章、各章45~55問ずつ)を頂き、一択ずつ教科書の記載箇所を探し、正誤を確認していくかたちをとりました。それでも、正直、緑本は分厚く、実際には三年間を通して学習してきた内容ですので、改めて作業をする場合でもかなりの時間を要しました。私自身、丸二週間、根詰めて取り組みました。

ただ、その作業が終わるころには、それまで綺麗だった緑本も、厚みが増すほどページをめくってきたことに気が付きました。このようにして根詰めなくても、皆さんにはまだまだたくさん時間があります。とにかく早くから、この手法によって教科書を最低限読破しておくことを強く推奨します。

ただ、先述に「最低限」とあるのは、緑本を読むだけでは、書いてあることは学べても、その内容をイメージを持ってしっかりと理解するのに難儀するからです。対策講義までにイメージができていない疾患がたくさんあると大変です。後輩の皆さんには、新たに1疾患ごとの解説付き問題集が販売されると聞いていますので、ぜひそれらを活用して、対策講義の開始時には、それぞれの疾患について基本的な発症機序や検査・治療方法のイメージを作っておくとよいと思います。そうしておくことで、資格勉強も単なる丸暗記にならなくなります。

さらに、記憶の定着をどんどん高めていく必勝法がありました。それは、「友達と問題の出しあい」です。長期的に記憶するためには、意味を理解することはもちろんですが、感情やエピソードと結びつけるとうまくいくと言われています。

私は、試験ギリギリまで緑本の読破に取り組んでいましたが、同じ学習室で他の学生さん二人が、隣で早々に問題の出しあいをしていました。私は自分の作業しながらでも、そのやり取りが耳に飛び込んできたことで、その時のやり取り内容の記憶が試験で役立つなんてこともあったりなかったり、、、

ほかにも、友達が変な語呂合わせで覚えていたら、一緒になって復唱してみてはいかがでしょうか。案外強烈に記憶に残っていたりします。こういう記憶方法も活用していくことが合格へ近づくことになると思います!

専門分野の勉強方法

次は、専門分野についてです。私はもともと基礎より専門のほうが比較的得意だったため、対策授業をしっかり聞いて、配られた資料2種類(穴埋め式・五者択一式)を復習用にして、計画的に利用して学習しました。同じように「どちらかといえば専門が得意だ」という人は、専門は確実におさえて、残り時間は基礎に費やせるように心がけましょう。それが合格への近道です!

ただ、「どうしても専門は苦手」という人も安心できる環境がありました。IA棟5階に学習室を設けてもらい、そこでは、坂井先生が理解できるまで寄り添って教えてくださったのです。私自身も、どうしても原死因の選択が苦手でしたが、坂井先生にがっつりマンツーマン指導をして頂いたことで、むしろ確実に取れる出題範囲に変化しました。

このように、先生に遠慮なく「教えてください」と言える環境にまずは身を置いてみることをオススメします!

おわりに

私は、先述にもあるように医薬品関係の仕事がしたく、この勉強を始めました。しかし、この資格学習によって、知識だけでなく学習そのものに必要な姿勢を学ぶことができました。それは、常に「なぜ」と疑い、友人とともに確認していく姿勢です。そして、それは現在の就職活動にも影響しています。

業界研究や企業研究を通じて、この学習する姿勢はどの業界、企業に入るにしても必要であることが分かりました。私は、この診療情報管理士の試験を通して学んだ「学習する姿勢」を強みとして、現在は他の様々な業界にも視野を広げ、自分の可能性を試しています。

皆さんもぜひ、診療情報管理士の学習を通じて、専門的な知識だけではない、自分なりの大切な何かを見つけてほしいです。

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