本学科の教員が共著者となった『医療・保健・福祉系のための情報リテラシー』(樺澤一之・寺島和浩・木下直彦著、共立出版、2020年)が刊行されました。
本学では、全学の新入生を対象として、情報処理I(1年前期)、情報処理II(1年後期)が必修科目として開講されています。このテキストは、情報処理Iで採用されており、PCとMicrosoft Officeの操作の基礎を習得することができます。
本学科の学生はいうまでもなく、医療系の職に就くのであれば、PC操作スキルの習得と向上は必須です。したがって、必修科目にもなっています。なぜでしょうか。
たとえば、病院勤務のリハビリテーション職(リハ職)の場合、診療時間が終われば業務終了ではなく、そこからその日に行った各患者さんへのリハの記録を入力したり、リハの計画書を作成したりすることになります。
もちろん、専門職として働く以上、院内の症例検討会で発表したり、学会で発表したりすることが求められます。そこでは、Microsoft Officeが使いこなせなければ、いたずらに時間を消費してしまいます。
このように、PC操作スキルが未熟であれば、その分、自分の時間を削って働かなければならなくなり、仕事の質にも人生の質にも大きな影響を及ぼしてしまいます。
そこで、本学では、ほぼ本学科の教員が担当して、全学科の新入生を対象に、1年間をかけて情報処理の教育を行っています。しかも、このテキストでは、医療・保健・福祉系の学生が興味を持ちやすくするために、演習の内容は、これらの分野のデータを用いたものになっています。
(医療情報管理学科の学生は、加えて、2年次に情報処理III、Excel検定があり、さらに、IT系を専門にする場合は、ソフトウェア演習、データベース技術、プログラミング演習などの科目があります!)
最後に、著者の一人である寺島先生からのコメントを紹介します。
著者らは、新潟医療福祉大学において情報処理の授業として、長年パソコンを用いた情報リテラシー教育を行ってきましたが、医療の専門職を目指す学生に対してどのような情報リテラシーが必要か、現在でも試行錯誤を重ねています。
スマートフォンなどが普及する一方、現在でも、パソコンそのものは、案外初心者に近いのが現状のようです。
今回、『医療・保健・福祉系のための情報リテラシー』として情報リテラシーの教科書を作成することになりました。内容は基礎的な部分から医療系を意識した内容となっているので、是非、興味を出して、活用していただきたいと思います。