医師事務作業補助者として活躍されている井上雅子さんから学ぶ
~卒研インタビュー調査の経過報告

医療情報管理学科の4回生です。私の卒研ゼミでは、卒業研究の一環として、就職後のスキル形成とキャリア形成について、県内の病院職員の方を対象にインタビュー調査を行っています。本学科のOB・OGの方はもちろん、他校出身の方にもご協力頂いています(ありがとうございます!)。

他校出身の方のなかで、とくに医師事務作業補助者として勤務されている井上雅子さんの学ぶ姿勢や考え方が大変参考になり、後輩の皆さんにも役に立つお話を伺うことができました。井上さんのご許可をいただき、皆さんと共有したいと思います。

井上さんは、現在、新潟県立中央病院で医師事務作業補助者(医療秘書)として勤務されています。さらに、病院勤務の傍らで、医師事務を目指す方向けの塾(小林塾)の企画運営に携わっておられます。

井上さんは、もともと、ホテルレストランでサービス業や営業事務の仕事に就いておられましたが、ご結婚により、上越市に移住した際に、医療の仕事への転職を決意し、職業訓練で診療報酬の資格を取得し、医事課での勤務を経て、現職にいたっておられます。

どんな経験からも学べる

そうした経験を踏まえて、井上さんからは、就職後のスキル形成・キャリア形成を進める上で、在学中からそのベースとなるスキルを磨くこと以上に、「自分から学ぶ姿勢」を身につけてほしいとのアドバイスを頂きました。

というのも、井上さんはホテルレストラン勤務から始まり身に付けてきた姿勢が現在の職業で活かせているからです。前職のレストラン勤務の際に、営業の方たちが安心して仕事できるように支えていた姿勢が、現在では、医師が安心して医師の仕事を専念できるように支えることと共通していたとおっしゃっています。

どのような経験も今の職業に繋がっていて、今している仕事もまた、将来関係ない職種に就いたとしてもどこかで繋がっていくはず。だから、学生の頃の勉強も必ず将来に繋がっていく。でも、それは嫌々ではなく楽しんでやってきたから。そんな経験を大事にしてほしい。

もちろん、仕事だけが人生の目的ではない。自分が、医療の勉強をしたいとなったらやればいいし、やりたいものを見つめることが大切。自分の基盤は、自分が一番に大事にしたいことは何かを考えることで作られていく。自分のやりたいことを常に決めて、自分の目標のためには時間を惜しまない。

このように私たちに対しても前向きになれる言葉をかけて頂き、常に向上心を持っていて、満足しないことが井上さんの魅力であると感じました。

学び続けることでやりがいが感じられるようになる

ただし、勉強のモチベーションを維持するのはなかなか難しいですよね。井上さんは、「もっと多くのことを身につけたい」という向上心を持ち続け、現在も自宅学習を欠かさず行っておられます。どうして、勉強が続けられるのでしょうか。

その問いに対して、井上さんは、人よりも学ぶことが好きで、知らないことや分からないことができるようになった際の“嬉しい”が“楽しい”に繋がるとおっしゃっていました。そしてこの楽しさを感じるためには、知識を繋げていくような勉強の仕方が必要とのことでした。

病院就職を目指すかどうかを決める際には、資格取得も重要ですが、『病気が見える』シリーズなどを活用して、自分から一つひとつの疾患について理解を深めていきたいと思えるかどうかが、大切であると感じました。

井上さん自身も、最初の頃は、化学療法のレジメンなど電子カルテには略語が多く、意味が理解できないまま仕事をしていたそうです。それでも、「もっと医師のサポートができるようになりたい」と感じ、ちょっとした時間に医師に質問をしたり、空き時間や帰宅後にすべて『病気が見える』などを使ったりして、全部理解できるようにしていったそうです。

すぐに分からなくても、興味のある仕事であれば、いずれ「もっと知りたい」と思うようになるはず。そのときに、「自分には無理」と考えてしまうか、自分で勉強してみようと思えるかどうかが、「やりがいを感じられる仕事」ができるかどうかの分かれ目だと思う。

今分からないところがあっても、大丈夫! 最初はみんな分からない。それでも前向きに学び続けることで、自分の知識が増えていき、仕事の楽しさが生まれていくことを教えて頂きました。

後輩の皆さんもぜひ参考にしてください!

この記事のタグ