新任の前田(まえた)です
~現場からの診療情報管理士教育~

2020年4月に本学科助教として着任した前田理歩です。私は、本学科を卒業後、新潟県内の病院で診療情報管理士として勤務してきました。そうした経験を活かして、学生教育に携わりたいと考えています。

まずは、私の経験を簡単にお伝えしたいと思います。

診療情報管理士(前田理歩)

新潟医療福祉大学との出会い

高校生の頃は、事務職に興味はあったものの、進路に悩んでいました。そうしたなか、高校の先生から、医療に専門的に関わることのできる安定した職種として診療情報管理士が注目されているとの話を聞き、関連する資格が複数取得できる本学科に入学しました。

入学後は、診療情報管理士の資格はもちろん、情報処理技能認定試験・日商簿記検試験なども取得しました。

実際の医療現場で分かったこと

本学科を2期生として卒業した後は、JA新潟厚生連の新潟医療センター豊栄病院で、診療情報管理士として5年間勤務してきました。

傷病名の登録、カルテ管理やデータ分析、診療報酬請求業務など、資格を活かした業務に携わることができ、専門分野として広い範囲で役立つ点にやりがいを感じました。

例えば、医師の記載したカルテを読んで、診療報酬請求のための病名を選択し、その選択した病名などをデータ化し、疾病統計を取ることで、病院の状況を把握したり、経営管理に携わったりすることができます。そして患者さんに接する機会も多く、診療報酬請求や医療に関する知識を用いて患者さんに説明しなければなりません。

他方で、資格を取っただけでは戦力にならないことも実感しました。 医療現場は次々と変化するため、その場に適した判断能力が必要です。他部門との連携も必須となります。

したがって、医療に関する知識だけでなく、判断力やコミュニケーション能力 、さらには、業務の迅速化、正確化、効率化を進める力などが重要なのです。しかし、その分、とてもやりがいを感じることができます。

たとえば、私の場合、入職後は、病院の構造から情報システムに至るまで、ゼロからのスタートでした。それでも、周りの職員の方たちが丁寧に1から教えてくださり、分からないことは何でも聞くようにしたことで、半年後には一人で担当をもてるようになりました。

ですが、保険証の確認もれや、請求点数のもれ、傷病名の間違いなど、たくさんの失敗をすることにもなりました。けれども、その都度、周りの方にサポート頂くことで、リカバリーでき、そうした失敗や経験を次へとつなげることで、3年後には教える立場となっていました。

そして、医療の知識も深まり、社会人としてのマナーも習得していくことで、やがて、診療情報や経営データの管理などのやりたい仕事ができるようになっていきました。

このように、「失敗を恐れず挑戦すること。わからないことは、周りを頼ること」が何よりも大切であることを私自身、強く実感してきました。そして、やりたい仕事ができるようになると、それと同時に評価されることも増え、とてもやりがいを感じるようになったのです。

大学ならではの学び

病院で働くなかで気づかされたのが、さきほど述べた現場で求められる力こそ、大学での学びによって身につけられるということです。

本学科には、簿記や情報システム、組織論、心理学、経営学、統計学、連携教育など、医療の現場で応用がきくだけでなく、行政・金融機関、一般企業などでも必要な講義がそろっており、進路の幅も広がります。

私の同期には、資格を取得し病院で働いている人もいれば、IT企業など医療分野ではないところで働いている人もいますが、みんなが輝いています。

学生教育への熱意

学生時代は、現場の雰囲気を深く知ることができませんでしたが、実際の現場で働くなかで、診療情報管理士は、幅広い専門知識の取得を必要とする奥深い仕事と実感しました。日々、医療現場は変化し、座学では学べない点も多いです。ただ資格を取るための学習ではなく、将来に結び付く学習・支援をしていきたいと考えています。

(髙野先生と同じ 研究室です。場所はIA504に移動しています。気軽に訪ねてください!)

そして資格対策以外にも、就職支援や学生さんたちのモチベーション(キャリアデザイン)についても、熱心に取り組み、笑顔で卒業していく学生さんを見届けたいです。

私は、本学科の卒業生であることから、学生の目線にたって愛情と意欲を持ちながら学生教育と毎日笑顔で元気あふれる医療情報管理学科にしていきたいと考えています。

この記事のタグ