本学科の学生たちも参加した国際ユースフォーラムが、ロシアの極東医科大学で開催されました(2019年10月)。そこで、現地で英語のポスター発表を行ってきた3年生にインタビューしました!
―学部生で英語の発表はかなり大変なことですよね。ポスター発表するまでの経緯を教えてください。
2年生のときに、木下先生の授業のなかで、ロシアの極東医科大学で研究発表をしてみないかとの呼びかけがありました。私たちの学科では、毎年、極東医科大学の国際会議で研究発表を行っているとのことでした。そこで、私の隣に座っていた友人が、実際にロシアで研究発表を行った先輩から体験談を聞いてくれて、自分たちも発表してみたいと思いました。
というのも、私は、それまでも佐渡でのボランティアなどを経験していたのですが、慣れない環境に飛び込んで、普段の生活で関わることのない方々と関わることで、自分が成長できると思っていたからです。
―自分から手を挙げられたのですね。その積極性は素晴らしいです! では、発表までの準備と発表の内容について教えてください。
UROPという自主的なゼミ(研究プロジェクト演習)のなかで、日本の地域包括ケア・システムに関する研究を進めました。そのなかで、普段関わりのない先生方や大学院の先輩方と議論をさせていただき、看取りに焦点を当てることになりました。
具体的には、新潟市内を研究対象として、ほとんどの方が在宅死を希望しているにもかかわらず、実際には病院死を迎えており、そこに医療資源や地域差はないことを明らかにするとともに、その背景にある急変時の救急搬送の問題や、ターミナルケアにおける遠隔医療の可能性について検討しました。
発表タイトルは、’A Survey on “MITORI” of Niigata Citizens – The Difference between the Desired Place of Death and the Actual Place of Death’ です。日本の地域包括ケアに関心を抱く各国の大学生との交流も行うことができました。ただ、正直なところ、発表を行って、データでは見えない現実についてまだまだ深掘りできていないことがよく分かりました。
今後は、卒業研究のなかで、佐渡を取り上げ、佐渡内の医療・介護資源の地域差について、データに表れない実態をインタビュー調査などで明らかにしていきたいと考えています。
―ロシアには5日間滞在されたとのことですが、現地の印象はいかがですか。
まずは、ロシアの方々のお人柄に驚きました。みんな明るくて、オープンで、自分たちのことをそのまま受け入れてくれました。たとえば、日本であれば、お世話になる目上の人には、「ありがとうございました。明日もよろしくお願いします!」と言って深々と一礼をするのが当たり前ですが、そうした形式張ったところがまったくありませんでした。
あいさつではハグが当たり前で、車での移動も音楽をかけて、みんなで歌いながら移動しました。土地が広くて、道路や建物も大きくて、景色もきれいで、食べ物も全部おいしくて……。とくに、ビーフストロガノフとマッシュポテトのプレートの味は忘れられません!
ただ、ロシアでの発表と滞在を通して、自分にはたくさんの足りないところがあることにも気づきました。自分には、恥ずかしがり屋、話し下手、自分の考えが言えないといった短所があるのですが、ロシアは、日本語が通じない世界で、会話の話題も違うので、いろいろと悔しい思いをしました。
ほかにも、慣れない環境で、自分で考えて行動しなければならない場面がたくさんありましたが、必要な知識がなく、人に頼ってしまうこともありました。今後の人生を考えると「このままではいけない」と強く思い、自分の考え方が大きく変わりました。
―そのように自己を省みることができる力こそが、これからの人生を支える力になると思います! では、最後に後輩へのメッセージをお願いします。
今回のロシアでの発表に限らず、自分が今いるところとはまったく異なる環境に身を置くことで、はじめて、まったく異なる広い視野で物事を見る力が身につくと思います。私自身も、長い間、研究活動を行うなかで、情報収集能力などの研究能力は身につきましたが、物事の考え方は実際に現地に行くまで変わりませんでした。異なる環境で違う価値観をもった人と関わることは、自分のためになると考えて、いろいろなことにチャレンジしていきましょう!
インタビューはいかがでしたか。同じくポスター発表を行った学生さんのインタビューもぜひご覧ください!